学年が変わって、クラスが変わってもいじめを受けるし、習い事の教室でもいじめを受けてしまっている。どこに行ってもいじめを受けてしまうのは何か子供に理由があるのではないかと思っていませんか?

長年、いじめ相談を受けてきた私は、世の中にはいじめられにくい子供といじめられやすい子供がいることが明確に区別できると確信しています。今回は、いじめられやすい子供にはどのような特徴があり、それらを克服するにはどのようにするべきかについてお伝えします。

今回はいじめられやすい特徴とその克服方法をまとめてお伝えします。ここでお伝えする克服方法を忠実に実践していただければ、あなたのお子様はいじめられやすい性格を克服できますので、ぜひしっかり読んでいただければと思います。

1.いじめられやすい子供の全体的な特徴

いじめられやすい子供は一般的に、自己肯定感が低いもしくは、自己肯定感が高すぎて、他人の気持ちを尊重することができないことが多いです。これが原因で、いじめられっ子から「あいつならいじめても何もしてこないから大丈夫」や「なんかうざい」と思われて、いじめられてしまうようになってしまいます。

全てが全て、お子様の行動によるものとは言いませんが、いじめられやすい子供の性格や行動を変えることで、周りからの見られ方が変わり、結果的にいじめがなくなるということはよくある話です。

そこでここから先は、いじめられやすい子供の特徴とその行動をいかにして変えるかということについてお伝えしていきます。

2.正義感が強い子供はいじめられやすい

2-1.面倒な人だと思われてしまう

正義感が強いというのは、ルールに厳しいという言い方をした方が分かりやすいでしょう。ルールに忠実になりすぎて、少しくらい良いでしょ?という許容範囲でさえも、許せない性格がゆえに、面倒な人だと思われ反撃しようとされてしまいます。

ここで一つ良い事例を挙げてみましょう。私が小学生だった頃、登下校は5~6人程度の決められた登校班で行うことがルールとして定められていました。私の近所に住んでいる子供で親御様も非常に厳しい方がおり、その子供は自分の班はもちろん、他の班の人でも普通は1列にまっすぐ並んで歩かなければならないところを2列や3列に話しながら歩いている人を見ると、すぐに「1列に並びなさい!」と注意していました。

幸いにもその子はいじめといういじめは受けていませんでしたが、周りの子供からは「なんか変な人」という目で見られ、あまり関わりたくないという空気はありました。

2-2.正義感が強いことに気づかないことが特徴

先ほどの事例のようにルールに厳しすぎて、他人に過度に干渉してしまうことで、周りから白い目で見られてしまうということがあります。正義感が強すぎることが原因でのいじめの非常に難しいことは、お子様や親御様本人はこの正義感が強すぎることに気がついていないケースがあるということです。

あなたは正義感が強いことが良いと思っており、お子様もあなたの教えを守っているので、「私たちは何も悪くないのに…」と思ってしまいます。しかし、周りの人に撮ってその正義感の強さは厄介者なのです。あなたやあなたのお子様の行動が周りの人にどのように映っているのかを気にすることはもちろん、ママ友などに直接「正義感が強すぎて鬱陶しいと思う瞬間はないか?」ということを聞いてみて確認しても良いでしょう。

2-3.適度な正義感を持つためには?

先ほど少しお伝えしたように、あなた自身が正義感が強くないか?ということをきちんと確認することはいうまでもありません。なぜなら、親の行動や考え方は直接子供の考え方や性格に影響を及ぼします。

その上で、お子様に「必ずしもルールが全てではない。少しくらいルールを破っていても、その場の雰囲気が良かったら大丈夫。でも、周りの人が迷惑そうに思っていたらそれはきちんと注意しないといけない」ということを伝えることが重要です。

正義感が強いお子様の場合、親であるあなたが何かルールやマナー違反をしていると注意してくれることでしょう。その際に、「そうだね」とお礼を伝えた上で、時には少しルーズな態度を取っても良い事を伝えたり、他の人が同じようなことをしていても、毎回毎回伝える必要はないことも伝えましょう。

学校の給食の際に、友達がマナー違反な食べ方をしていて、それを毎回注意していては友達から嫌がられます。その友達は友達ということで、何も言わないことも大切であると伝えてあげましょう。

3.言い返せない子供はいじめられやすい

3-1.言い返さない=いじめの対象となる

人間が生きる上で、いじめはつきものであると考えてみてください。その時に、誰をいじめるかという標的にされやすい人は「やられたことに対して言い返さない人」です。嫌なことをされても、暴力を振られても、何も言い返さない人は、いじめっ子からするとまだまだ余裕があって、いくらでもやって良いものだと勘違いされてしまいます。

私が中学生時代、部活内のいじめっ子が武道を習っていた事もあり、投げ技をされたり、叩かれたりしていました。その頃、私は非常に小心者で「やめて」と言えなかったため、さらにエスカレートしてしまったのです。今思い返せば、あの時に「嫌だ」と一言言えば良かったにも関わらず、言うことができなかったことは非常に後悔しています。

私のように、言い返すことができない子供も世の中にはたくさんいることは重々承知です。言い返さないことがかえって良い事もたくさんあります。しかし、基本的に最低限で構わないので、嫌なことは嫌とはっきり言うことができなければ、いじめの対象となってしまう可能性が非常に高くなってしまいます。

3-2.自己主張ができる子供に育てるには

私自身、自己主張があまりできなかったのですが、その大きな理由としては「自己主張の大切さを知らなかったから」なのです。自己主張は自分の存在を相手に伝える手段であり、目には見えない心の気持ちを伝えることです。

嬉しいことは「嬉しい」、感謝しているのであれば「ありがとう」と相手に伝えることで、やっと相手はあなたの気持ちを知ることができるのです。嫌なことは嫌と伝えなければ、相手はどこまでやって良いのか分からないので、相手が考える基準に合わせて行動されてしまいます。

しかし、なかなかすぐに自己主張の大切さを実感することはできません。ですからまずは、小さな成功体験を積むために次のようなことに挑戦してみるように伝えてみましょう。

  • 給食のデザートなどの余り物じゃんけんに参加する
  • 授業中に手を挙げて発表してみる
  • どこに行く?などと聞かれた時に「なんでも/どこでも」ではなく、具体的に「〇〇」と答える

このように、お子様の意見を口に出す練習をすることで、自分の気持ちを相手に伝えるとどうなるのか?ということが分かるようになります。また自己主張が苦手なのはお子様だけではなく、あなた自身も苦手かもしれません。

親の性格や行動、教育が全て今のお子様を形作っています。ですから、もしあなたが自分の気持ちに正直ではなかったり、相手に合わせるような発言、行動をしている場合は、あなたの気持ちを素直に相手に伝えるように気をつけてみてください。

4.他人をバカにする特徴がある

誰かにバカにされる発言は、誰にとっても耐え難いものです。あなたのことをバカにしてくる人と友達になろうとはなかなか思いにくいと思います。本人は気づいていなくても、知らぬ間に他人をバカにする発言や行動をしていることが原因で、いじめを受けているかもしれません。

4-1.他人よりも何かが優れていることでバカにする

これはクラスの中でも頭が良いお子様に多い現象です。私もそうだったのですが、授業中の小テストや宿題、プリントなど早く終わった人から休み時間になるといった場合に、頭が良いからこそ早く終わるので、他の友達に「まだ終わらないの?遅いよ」などと言ってしまうのです。

これはスポーツでも同じで、足が速いからこそ鬼ごっこなどの遊びの中で、「おいおい、もっと本気で走れよ」などと本人は本気であるにも関わらず、それに気づかずに言ってしまうのです。

このように、お子様にとっては当たり前のことでも、知らぬ間に他人をバカにしたり、傷つけてしまっていたりします。そして、お子様が優れているからこそ「あいつだけ良くできて」と恨まれてしまい、いじめの対象となってしまうのです。

4-2.他人をバカにしないようにするには

私の両親は先ほどお伝えした他人をバカにする言動を危惧し、私がこのような発言をしていることをすぐに察知し、厳しく指導していました。いつも口酸っぱく言われていたことは、「あなたの常識、非常識」という言葉です。あなたがどれだけ当然のごとくできると思っていても、それができない人はたくさんいるからこそ、できることが当然だと思わないことという意味です。

どれだけ足が速くても、どれだけ勉強ができても、あなたやお子様と同じレベルで全ての人ができるとは限らないのです。お子様の秀でている部分で相手のことを助けてあげるように伝えることが重要です。

頭が良いのであれば、「分からないことあれば手伝うよ」と伝えることで、お子様の友達は早くプリントを終わらすことができますし、その分早く遊びに行くことができるのです。口で文句を言うのではなく、長所を使って他人を助けるということを教える必要があります。

5.暗い雰囲気の子供はいじめられやすい

5-1.ネガティブ思考がいじめられる原因

あなたが子供の頃に、クラスの中に口数が少なかったり、いつも落ち込んでいるような雰囲気だったりする人が一人はいたはずです。私の周りだと、「発表会で失敗しそうで怖い」や「マジでだるい」、「死にたい」などと口にしている人がいました。1回や2回、そのようなことを周りに言うのであれば、冗談だと済まされるのです。

しかし、いつも口を開けばこのようなことしか言って来ずに、楽しい話は一つもしない、いつも悲しい話や面白くない話ばかりということになってしまうと、誰も自ら話したいとは思わないのです。人間は笑ったり、自分の話をしたりすることが楽しいと本能的に感じるものなのです。ですから、このように暗い雰囲気の子供は「うざい」と思われていじめの対象となってしまうのです。

5-2.ネガティブ思考を変えればいじめられなくなる

うざいと思われていじめを受ける原因が「ネガティブ思考」なのであれば、ネガティブ思考をしなければ良いのです。ネガティブ思考のお子様は常日頃からマイナスの事を多く発言しています。例えば次のような言葉です。

  • 私なんてできない
  • 〇〇がだるい
  • 〇〇ができなかったらどうしよう…

このような発言は極力しないようにすることが大切です。そして使う言葉は次のような言葉になると理想的でしょう。

  • なんとかなるかな
  • 楽しそう/楽しみ
  • 〇〇は怖いけど、多分大丈夫だと思う!
  • 頑張る!

先ほどお伝えしたネガティブな発言はお子様が勝手にやっているのではなく、あなたの日頃の発言もお子様の内容と似ていることが多いです。ですから、あなた自身ができるだけポジティブな言葉を日頃の生活の中で気をつけて使うようにすると、すぐにお子様の言葉遣いは変わっていきます。

6.冗談が通じないといじめられやすい

6-1.冗談を笑い流せないといじめられる

冗談だと知った上で、周りの笑いを取るために色々と面白いことを友達は発言することでしょう。例えば、友達が「俺、この前〇〇(お子様の名前)に蹴られてめっちゃ痛かったんだよね〜」と言われたとしましょう。あなたのお子様が絶対に蹴らないことを知った上での発言であるにも関わらず、お子様が本気の話だと捉えてしまい、「そんなことやってない!」と怒ったとしましょう。

笑いを取るために発言したにも関わらず、本気にされては場の雰囲気が悪くなってしまいます。そして「あいつは空気が読めないやつだ」ということでいじめの対象となってしまいます。

もちろん、冗談の内容の度が過ぎていて、本人が本当に嫌だと感じていればいじめですが、多少の冗談であれば、上手く笑いを取ることができるようにする必要があります。

6-2.冗談と上手く付き合うためには?

冗談と冗談ではない話の区別がつきにくく、私も時々失敗してしまうことがあります。しかし、ある程度の冗談の分別は昔よりかは必ずつけることができています。その理由としては、冗談と触れ合う回数が多くなったからなのです。

どれが冗談でどれが本気の話なのかの区別をつけることができるようになると、それぞれの上手な返し方ができるようになります。ここであなたに協力していただきたいことは、「お子様に冗談を言ってあげる」ことです。少し軽い冗談を日常生活の中で話してあげます。冗談を言うときはきちんと最後に「冗談だけどね」と付け加えた上で、笑うことをします。

これにより、どれが冗談なのかの分別がつくだけではなく、冗談と上手く付き合うことで笑いを取ることができるということを学ぶことができます。これを実践することで次第に学校でも冗談との付き合い方が上手くなっていきます。

7.まとめ

今回は、私の経験からどのような子供がいじめられやすいのかということについてお伝えしました。全てしっかり読んでいただくと気づくかもしれませんが、ほとんどの特徴はあなたと同じ特徴なのです。子供は親の鏡という言葉があるほど、子供の性格は親の影響を大きく受けています。

ですからまずは、あなた自身がいじめられにくい発言や行動を行うことで、結果的にお子様もいじめられにくくなるのです。今までの行動が快適であるからこそ、一皮脱ぐのは非常に大変です。しかし、お子様のためにもしっかりと今、あなた自身の行動を変えてあげてください。