あなたの小学生のお子様がいじめを受けていることが発覚。

どのように対処すれば良いか分からないことがほとんどでしょう。実は小学生のいじめに対処するには、お子様へのアプローチといじめそのものへのアプローチの2軸でサポートして行く必要があります。

そこで今回は、それぞれの方向からどのようにサポートするべきなのかについてお伝えしていきます。

1.小学生の子供といじめ自体への両軸アプローチが必要な理由

すでに色々なサイトであなたは、小学生がいじめを受けている場合の対処法を調べてきたことでしょう。その中の1つとして、当サイトもご覧になっていることと思います。

世の中の多くのサイトでは、いじめをどのように解決するべきか?という点に注目されがちです。いじめを受けた経験がある私もいじめ解決のための行動は必要だと考えています。

その一方で、たくさんの親御様からいじめ相談を受けていると、お子様へのサポートを忘れてしまいがちな方がたくさんいらっしゃることも実感しています。いじめ解決にばかり目が向いてしまい、本当にお子様はどのようなことを望んでいるのか、いじめが解決した先にお子様が過ごしやすい環境を作ることができるのか?といった、お子様の精神状態を安定させたり、意見を聞いたりすることを忘れてしまいます。

ですから、小学生のいじめへの対処法を考える際には、お子様の意見を聞いたり、サポートしたりすることも必要だということを認識いただければと思います。この記事では、まず最初にお子様へのアプローチ、そしていじめ解決への対処法をお伝えしていきます。

2.小学生の子供と親の信頼関係を作る

いじめに対処していくためには、まずお子様と信頼関係を構築する必要があります。お子様がどのようにいじめを考えていて、どのように対処してほしいのか、さらにはいじめによるストレスを和らげていく必要もあります。

これらのためには親子がお互いに信頼できるようにしなければならないのです。

2-1.小学生の子供と5分だけきちんと向き合って話す

小学生のお子様を持つあなたはとても忙しいことでしょう。朝起きて、朝食の用意と洗濯物を干して、子供を見送ってすぐに出社。家に帰宅してからも夕食の準備に部屋の片付け、子供をお風呂に入れて…すぐに寝る時間になってしまいます。

そのような中でなかなかお子様と面と向き合って真剣に話すことができる時間はありません。しかし、まずは1日5分でも良いので、あなたがやるべきことをやりながら話を聞くのではなく、全ての作業の手を止めて、椅子に座ってお子様の話を聞いてあげてください。

「今日学校どうだった?」

「最近、授業で何をやってるの?」

「最近、友達の間でどんな遊びが流行ってるの?」

なんでも良いですが、きちんと向き合って話す時間を毎日取ることで、「自分の話をきちんと聞いてくれるんだ!」と子供は認識し、ふとした瞬間にいじめについても少しずつ話してくれるようになります。

2-2.小学生の子供のカウンセラーになる

このようにあなたのお子様から信頼を獲得すると、いじめについても相談をしてくれるようになることが多いです。

当然と言えば当然ですが、いじめを受けているということは相当なストレスを抱えていることと同じです。いじめに対処していく中で、あなたもお子様も常に冷静に判断し続ける必要があります。

過大なストレスを与えられ続ける状態を放置しておくと鬱や不登校になってしまうため、できる限りストレスを緩和してあげる必要があります。そこであなたがお子様の専属カウンセラーになることをお勧めします。

お子様ときちんと向き合って真剣に話す時間の時に、いじめだけではなくその他の話題でも例外なく、カウンセリングの手法をとることで、お子様に安心感を与えることができます。

やり方は簡単です。次のことを守るだけなのです。

ポイント

  • 常に共感をする
  • 否定をしない
  • どのような気持ちだったかを聞いた上で、ポジティブな気持ちになるように誘導する

3つ目は少し難しいので、当サイトが提供しているプログラムで習得いただければと思いますが、最初の2つはとても簡単でしょう。あなたが思っている以上にお子様は常日頃から否定され続けています。

たった5分だけでも良いので、どんなことを言っても認めてもらえるという時間を作るだけで、心に大きな余裕が生まれるようになります。

3.親が学校に行っていじめを確認する

子供からいじめの相談を受けていることは重々承知ですが、お子様からの話だけではなく、あなた自身の目でいじめの実態を把握しておく必要もあります。

小学生のいじめの場合は、周りに見られているからやらないのではなく、なんとなく嫌だなどという理由から、いたずら感覚でどのような場所でも行います。

ですから、あなたが学校に行った際には何かしらのいじめを目撃できる場合が多いです。

3-1.小学校の授業参観に参加する

小学校に手っ取り早く足を踏み入れる方法として、授業参観が挙げられます。普段の授業を見ることができる上に、休み時間の子供の過ごし方も見ることができます。

いじめは休み時間に行われることが多いので、子供の持ち物を誰が触っているのか、どのような人と子供が遊んでいるのかなどを観察するだけで、いじめなのかな?と不審に思う場所はいくつも出てきます。

そしてそれらを実際にお子様に聞いてみたり、その後の経過を見てみたりすることで、どのようないじめが行われているのかが分かるようになります。

3-2.小学校の通常授業にも参加する

あまり知られていませんが、実は小学校の通常授業にも所定の手続きを踏めば参加できるようになっています。まずはお子様の小学校に「通常授業の時に学校を見学したいのですが、どのようにすれば良いでしょうか?」と電話をしてみましょう。大抵の場合は、受付で名簿を書けばいつでも参加できますと言われるでしょう。

参観日の時にもいじめは起こりやすいですが、子供達も親の前では少しは真面目な態度を取ろうとします。ですから、通常授業の方がよりリアルないじめの現場を把握することができるようになります。

4.小学校の先生にいじめ対処の相談をする

4-1.いじめ対処はあくまで相談から

ここまでであなたはお子様の話はもちろんのこと、あなた自身の目でもしっかりいじめを把握することができています。あなたとしては今すぐにでも小学校の担任の先生に、いじめを対処して欲しいと思っていることでしょう。

しかし、「早くいじめを解決しろ」とあなたよがりの言い方ではモンスターペアレンツ扱いをされてもおかしくありません。そこで、あくまで相談ではあるのですが…という考え方で担任の先生に相談をするのが良いでしょう。

例えば、

「ここ数日、息子(娘)から〇〇くんから××といういじめを受けていると相談されたのですが、学校での様子を教えていただけないでしょうか?」

「いじめを受けているようなのですが、周りの子供達の様子で何か気になる点などありますでしょうか?」

といった形で、学校の先生が答えやすい質問でありつつも、いじめがあるという認識をしてもらうことができる質問が最初のステップとしては良いでしょう。

4-2.必ずしも小学校の先生が対処してくれるとは限らない

一度学校の先生に相談をすれば、すぐに動いてくれるとあなたは思っているかもしれません。しかし実態はそう簡単ではありません。すぐに対応してくれる先生に当たればとても良いでしょう。一方で、不登校や鬱にならなければ、なかなか動いてくれない先生もいることも認識しておかなければなりません。

すぐに動いてくれる先生はあなたと二人三脚で一緒にいじめ解決の方向に向かってくれるでしょう。しかし、そうでない場合はあなたが動いていく必要があります。

いじめに対処しない小学校の先生の場合は、より具体的にどのようなことをあなたはしてほしいと思っているのか、そしてその結果を知らせる日程まで詳細に詰めた上で、先生に文面でお渡しする必要があるでしょう。

また、あまり仲が良くない場合は、菓子折りなどを持って頻繁に先生に挨拶に行って仲を深めるというのも一つの手でしょう。

5.いじめっ子と親が仲良くする対処法

この方法はあまり知られていませんが、担任の先生ばかりにいじめへの対処を任せているのも身勝手すぎますし、いつ解決するかも分かりません。

そこで、いじめそのものを注意するのではなく、間接的にいじめがなくなるように対処する方法の1つに「いじめっ子と仲良くする」というものがあります。

5-1.いじめっ子と仲良くする効果とは

なぜわざわざいじめっ子の親ではなく、張本人である子供と仲良くなる必要があるのかというと、小学生のいじめの特殊性に起因しています。小学生の間でのいじめは「なんとなく嫌だから」という理由でいじめをすることが一番多いです。

さらに言えば、親にはいじめや意地悪について注意されたくない、バレたくないという心理もあります。

この心理を逆手に取ったのがこの戦略です。常日頃からいじめている子供の親といじめっ子自身の距離が近いと、親近感が湧きますし、親であっても親しい仲の子供をいじめるのは気が引けます。さらには、いじめていることがバレてしまうリスクも圧倒的に高まります。

子供はあなたのような大人が思っているよりも相当賢いです。ですから、一度仲良くなると早々にいじめのターゲットを他の人に変えるようになります。

5-2.どのようにいじめっ子と仲良くなるのか

まずは、子供達と関わることができる場所でいじめっ子と積極的に話すことが非常に重要です。代表的な場所だと、登下校の通学路や放課後に団地で遊ぶときにあなたが散歩をしている途中だったかのように遭遇したと見せかけて話す、授業参観の時に話すなどでしょう。

また実際に話す際にも、決していじめについて触れてはいけません。

  • 「おはよう」
  • 「おかえり」
  • 「今日何するの?」
  • 「いつもうちの息子(娘)と仲良くしてくれてありがとうね」

といった親として当然のような話題をまずは振るようにしましょう。また、いじめっ子は褒められたり共感されたりすることが少ない傾向があります。ですから、「〇〇なんてしちゃダメよ」と注意するのではなく、「〇〇してるなんてすごいね」や「いつも〇〇してくれてありがとうね」などといった肯定的な声かけをするようにしましょう。

このようにすることで、いじめっ子と仲良くなることはもちろん、自然といじめがなくなっていきます。正確にはいじめるターゲットを変えるという方が良いでしょうが、それでも最低限あなたのお子様は被害に遭わずに済むようになります。

6.まとめ

今回お伝えした4つのポイントをしっかり実践することで、お子様も安心して学校生活を送れるようになりますし、いじめも解決するようになります。

ポイント

  • 親子の信頼関係を深める
  • 親が学校に行って実態を確かめる
  • 先生に相談をする
  • いじめっ子と仲良くなる

特に最後のいじめっ子と仲良くなる方法は、いじめがエスカレートすることもなく安全にいじめに対処することができる方法ですので、ぜひ実践してみることをおすすめします。