小学生の子供の消しゴムや下敷き、筆箱にまで落書きをされていて、到底子供自身でやったとは思えないレベルの落書き。しかし本人に聞いても答えははぐらかされるばかりで、いじめだと感じて、なんとか止めさせたいという思いは非常によく分かります。

今回は、そのような落書きを受けるいじめが実際にどのようなところで起きていて、それらをどのように解決すれば良いのか?ということについて3つの対処法のポイントをお伝えします。

1.実際の落書きのいじめ事例

落書きをされるいじめは、思っても見ないところで起きていることもあります。今回は一般的な落書きの場所や事例と、あなたが思ってもいないような場所で起こる事例の2種類をお伝えします。

1-1.一般的な落書きによるいじめの事例

一般的な事例は、あなたが見ただけでも気づくような事例がほとんどです。特に文房具への落書きが顕著です。プラスチックの筆箱の内側のデコボコしている布のような生地の部分や、消し後むの紙でカバーがされている部分の内側、さらにはクリアファイルやプラスチックの下敷きなどにも落書きがされています。

落書きのやり方として、鉛筆や赤色のボールペン、さらにはマジックペンでグルグルと大きな丸を描かれたり、次のような誹謗中傷的な言葉を書かれたりします。

  • 〇〇(お子様の名前)死ね
  • ブス
  • 消えろ
  • バーカ

1-2.思わぬ場所での落書きによるいじめ

次に、子供自身は気づくが、あなたは気づくことが難しい場所での落書きによるいじめの事例です。これは私の近所でも起こった事例ですが、住宅街の団地や線路の高架下を歩くときに、隣に大きなコンクリートで作られた壁があると思います。このような壁に先ほどお伝えした「〇〇死ね」や「ブス」などの言葉を小石で書くという事例があります。マジックで書く場合もありますが、ほとんどの場合は小石でコンクリートに傷をつけるような形で書く場合が多いです。

その他にも、学校内の教室の壁やロッカー、廊下の壁などにカッターなどで傷をつけて文字を書いたり、ペンで書いたりと多種多様なやり方で文字を書くことが多いです。

これらは車や自転車で通勤しているあなたの目にはなかなか止まりませんが、実際にその場を子供と同じ目線で歩くとすぐに分かるようになります。

この後は、上記のようないじめを発見したあなたがどのような行動を取れば良いのかということについてお伝えします。

2.先生に落書きによるいじめについて相談する

2-1.落書きがいじめではなくいたずらの場合がある

今回のような落書きによるいじめがあるのでは?と不審に思った場合、すぐにいじめだと認定をして解決を先走ろうとする行為は非常に危険です。特に小学校低学年の子供は善悪の判断がまだあまり付いていません。

大人の世界から見ると明らかな「いじめ」であっても、子供の世界では「いたずら」だと思っていることも多いです。その証拠に、大人がどれだけいじめなのではないかと心配しても、子供は何食わぬ顔で「別に何もないんだけど」と言う現実があります。

子供からするとただのじゃれあい(そうでない場合もあることは前提ですが)であり、いじめでもないにも関わらず、いじめだと認定されてしまっては子供の自由を阻害してしまいます。

2-2.先生に落書きによるいじめの現状共有してもらう

子供たちが行なっている落書きが果たしていじめなのか、それともただのいたずらなのかということは、子供たちを一番間近に見ている先生がよく分かっています。休憩時間に他の子供たちが勝手にノートなどを机から取り出して漁っているのであれば、注意するべきですし、子供が目の前にいて、お互いに楽しそうに書いているだけなのであれば、遊びでしょう。

どのような経緯でその落書きが発生したのかについて先生から共有してもらうことができる体制を整えておくことが重要です。

具体的には、先生に現状として落書きが発生していることを伝えた上で、お子様やその周り、そしてお子様の持ち物を観察してもらうようにお願いします。そして、残念ながら再度落書きが発生してしまった場合は、担任の先生から経緯や当時の状況などの説明を受けましょう。

3.子供といつでも話せる雰囲気を作る

3-1.子供が相談できる環境はとても重要

親であるあなたと子供の信頼関係は非常に重要です。常日頃から学校のことだけではなく、将来のことや友達のこと、習い事のことなどなんでも話すことができる雰囲気を作る必要があります。この関係性があるだけで、いつもとは何か雰囲気が少し違うなどといった違和感にすぐに気づくことができ、それが落書きなどのいじめの早期発見につながります。

また、あなたが発見するだけではなく、お子様の方から「今日学校で、〇〇が下敷きに落書きしてきたんだよね」などと素直に話してくれるようにもなります。

3-2.子供が落書きについて相談できる関係を作るには

先ほどお伝えしたような関係性は一朝一夕では構築できません。しかし、お子様が少しでも話しかけてくれた時には料理をしていようと、スマホを触っていようと何をしていようと必ずあなたの手を止めて、子供と同じ視点に立ち、子供の目を見て話を聞いてあげてください。

スマホをいじりながら、料理をしながらだと、きちんと聞いてもらえているという印象が子供には伝わりませんし、あなたもお子様の少しの変化に気づくこともできません。

そして、お子様から積極的に話しかけてもらえない場合は、ご飯を作るのを手伝ってもらう、同じ食卓でご飯を食べる。たった5分で構いません。それだけで良いので、お子様の目を見て話を聞くという時間を作るようにしてください。次第にこの時間が伸びていくようになり、最終的にお子様とどんな話でもできる関係性を作ることができるようになります。

4.学校に直接見学をしていじめを把握する

4-1.学校の授業見学をできる日とは

学校の授業を実際にあなたの目で見て、クラスの中でどのような立ち振る舞いをしているのかということを確認することが最も簡単にいじめを把握し、理解することにつながります。

あなたがすぐに思いつく授業を見ることができる日としては、授業参観日や一日授業開放日、運動会などでしょう。しかし近年では、通常授業も所定の手続きを踏めば、見学することができるようになっています。

あなたが学校に「一般日の授業を見学したい」という旨を伝えれば、受付で名簿にあなたの名前と連絡先を書けば学校の見学ができるようになりますなどといったことを教えてもらえるでしょう。

4-2.授業見学で何に着目するべきか?

授業を見学する際に、教室にはなるべく入らないようにしてください。教室に入ってしまうと、他の生徒に気づかれてしまい、いじめを行わなくなります。ですから、授業中や休み時間を含め、基本的には外から観察するようにしましょう。

また着目点としては、あなたのお子様が受けた落書きが起きそうな場所に着目します。またその他に、あなたのお子様とクラスの友達がどのような交友関係を持っていたり、係りをしたりしているのかにも注意を向けましょう。それだけで、あなたのお子様と友達の関係が良いのか、それともいじめの対象となっているのかが分かります。

5.まとめ

小学生の落書きによるいじめは、本当にいじめなのか、それともただのいたずらなのかが分かりにくいという実情があります。これらは学校の先生が一番よく分かっていますので、先生に相談するのが一番です。

一方で、ご家庭でもいじめの相談や困ったことの相談をしてもらいやすいように、常日頃からなんでも話すことができる雰囲気、信頼関係を築いておく必要があります。さらに、学校の担任の先生だけでは任せることができなと判断した場合は、最終手段ではありますが、学校に直接訪問して、実態をあなたの目で見てみるという方法もあります。

どのような方法を取るにしても、あなたのお子様の意見を聞きながら、お子様と一緒に進めていくのが良いでしょう。