不登校の子どもの学校に行くきっかけ作りで悩んでいませんか?

子どものことが気になって「明日は学校に行くの?」と聞いてしまったり、無理に学校に行かせようとしてしまったり、色々と試行錯誤されていることでしょう。

実は、子どもの学校復帰は、親の声かけ次第でスムーズにいく場合があるのです。

今回は、不登校の子どもへの親のNG対応と、子どもが学校に行くきっかけになりやすい親の対応について解説します。

子どもにとってプラスな未来につながる関わりをしていきましょう。

1.不登校の子どもの学校に行くのきっかけを奪う親のNG対応

不登校の子どもへの対応で、親がよかれと思っている対応がかえって逆効果になっているケースが少なくありません。

不登校の子どもの学校復帰を、かえって遠ざけてしまう親のNG対応について解説します。

1-1.不登校の理由を何度も聞く

何度も子どもに、不登校の理由を聞くのは避けましょう。

子どもの中でも「不登校になってしまった」「自分はちゃんとできていない」という思いは抱えているものなので、何度も聞くと子どもの心を傷つけることに繋がります。

また、不登校の原因がいじめだった場合、子どもは親が傷つくかもしれないと考え、必死に隠そうとします。

いじめは子ども自身のプライドを傷つけるもので、子ども自身が「自分はいじめられた」と認めることができない場合も多いです。

そのため、「いじめにあった」という話を切り出すことができない子どもも多くいます。

そんな中、子どもに何度も不登校の理由を聞くことは、子ども自身を追いつめることになるので注意しましょう。

1-2.無理やり連れて行こうとする

学校に無理やり連れて行ってはいけません。

不登校は無理やり連れて行って解決するものではなく、場合によっては状況を悪化させることに繋がります。

「理由がないなら、学校に行きなさい!」と言ってしまう親御さんもいますが、先程説明したように、子どもはいじめにあっていても、なかなかカミングアウトできません。

もしいじめが原因で不登校の場合、親が学校に連れて行こうとすることは、子どもにとって非常に恐怖を感じることですし、実際に子どもを危険にさらすことになります。

また、無理やり学校に行かせることで、心が壊れてしまった場合、長期的に社会復帰すら困難になる場合があります。

不登校は早い段階で子どもの心を休ませてあげることが大切で、重症な状態になってから休ませても遅いのです。

そのため「このくらいなら学校に行くべき」「まだ行ける」という判断はしないようにしましょう。

1-3.「明日どうするの?」と毎日聞く

子どもが休んでいる時に「明日どうするの?」といった質問をすることは避けましょう。

明日のことを考えさせることがプレッシャーになり、心を休めることができません。

親としては、気になって聞いてしまいますが、それが子どもの負担になってしまう場合があるので、気をつけましょう。

1-4.将来の不安を煽って行かせようとする

「このままじゃ卒業できないよ」「高校受験どうするの?」など、将来の不安を煽って行かせようとするのも得策ではありません。

将来への不安は、子どもが一番感じています。

子ども自身も「このままではいけない」と思っており、学校に行こうとすると身体が動かない、動悸がするという状況のなかで葛藤しています。

yahoo知恵袋を見ると、「このままじゃ大学に行けないのでしょうか?」「自分はちゃんと働けないのでしょうか?」と中学生自身が書き込んでいるものを見かけます。

子どもも悩んでいるんだということを理解した上で、子どもの不安に寄り添う声かけをした方が、問題解決には繋がっていきます。

1-5.「休む=逃げ・ずる」という言い方をする

学校を休むことに対して、「逃げ」「ずる」という表現をしたり、ネガティブな言い方をするのは避けましょう。

子どもにとって、学校を休むことはとても勇気のいることです。

子どもは「学校は行かないといけない」と思っており、大人が思っている以上に、周りとの調和や先生の言っていることを守ろうとするものです。

それでも休んでしまうということは、それだけストレスを受けているんだと理解してあげましょう。

「休む」という選択が大事な時もあります。

子どもなりに考えて行動を起こしていることを尊重すると、子どもも心を開いてくれて会話が前に向くようになります。

2.不登校の子どもが学校に行くきっかけは「安心感」にあり

不登校の子どもには、まず「安心感」を与えてあげることが大切です。

「自分には居場所がある」「他にも選択肢がある」そう思えることで、挑戦意欲が芽生えてくるものです。

子どもが「学校に行ってみよう」と思うきっかけに繋がりやすい親の対応について紹介します。

2-1.家が子どもにとって安心できる場所にする

家が子どもにとっての居場所になるようにしましょう。

不登校の根本的な理由として「学校に居場所がない」というものがあります。

いじめにあっている、学校の雰囲気に馴染めない、勉強についていけない、色々な理由がありますが、その根っこにあるのは「居場所の有無」です。

子どもにとって「自分の居場所」があることは非常に重要で、子どもは自分の居場所にいることで心の充電をします。

そのため、学校で馴染めていなくても、近所に仲の良い子がいることで、オンオフの切り替えが上手にできている子もいます。

不登校の対応で一番大事なのは、子どもの心を充電すること。

そのためにも、家は子どもにとっての安全基地となってあげましょう。

そうすることで、「もう一回、学校に行ってみようかな」と思うようになります。

2-2.休むことの大切さを親が受け止める

不登校の対応として、早い段階で休ませることが重要になります。

不登校は甘えではない!親がとるべき対応は学校に行かせないこと!? の記事に出てくる事例でも、学校を休ませたことで次の日から通えるようになったという子どもがいます。

子どもが「学校に行きたくない」といった時、「ここで休ませると休み癖がつきそう」と考え、頑張って行かせようとする親御さんが多いのですが、その考え方はむしろ危険なのです。

子どもは早い段階で休ませてあげた方が、心の充電ができて次の日から行くようになります。

逆に、ギリギリまで学校に行かせ、心が折れてから休んだ場合、学校復帰まで時間がかかってしまうことが多いので、休むことの大切さも理解しておきましょう。

2-3.他の選択肢があることを伝える

子どもには、他の選択肢があることを伝えておきましょう。

転校できるし、休むこともできるということを伝えておくことで、子どもの安心感につながります。

「休んでもいいけど行く」のと「休むことは許されないから行く」のでは、子どもの精神的なストレスが大きく異なります。

これは、仕事に置き換えて考えると、非常にイメージしやすいかと思います。

「学校は休めないもの」「行かないといけないもの」という伝え方をすると、余計にストレスを与えてしまうので、日頃から色々な選択肢があるということを伝えておきましょう。

2-4.学校の先生の理解と協力も大切

学校の先生の理解と協力も大切です。

クラスに馴染めていない、苦手な子がいるという場合は、学校にも対応を依頼し、子どもが安心して通える環境を作ってあげましょう。

親には言えないことでも、先生には言える場合もありますし、先生の中にも「この先生になら相談できる」という先生がいる場合もあります。

子どもが信用している先生にも相談しながら、学校復帰後の環境を考慮してもらいましょう。

不登校が続く場合は、フリースクールという選択肢もありますが、その場合も学校長の許可や担任の先生との連携が必須となります。

フリースクールや、不登校でも出席扱いになる方法に関しては、以下の記事が参考になります。

2-5.自分の居場所、やりがいを見つけることで心が元気になるケースも

学校以外の場所で、子どもの居場所ができたり、子どもにとってのやりがいが見つかることで心が元気になり、学校復帰につながる場合もあります。

それが、オンラインゲームのコミュニティの場合もあれば、習い事や塾になる場合もあります。

子どもがゲームに熱中していると、「遊んでないで勉強しなさい」と言いたくなるかもしれませんが、子どもにとって自分の居場所、熱中できるものになっている場合は、見守ってあげることも大切です。

子どもの心を元気にするためにも、子どもが楽しめる場所、安心できる場所、熱中できる場所をつくってあげましょう。

3.家庭内で解決できない場合は、専門機関にも相談しよう

家庭内で解決出来ない場合は、外の専門機関に相談することも大切です。

自治体ごとに、不登校やいじめに関する相談窓口があるので、そのような窓口を利用するのも良いでしょう。

いじめの内容が深刻な場合は、弁護士に相談することで相手に警告状を書いてもらうこともできます。

弁護士が入ることで、いじめをしている側の親や子どもが真摯に受け止め、いじめや速やかに解決することが多いです。

また、子どもにうつ症状が見られたり、暴力的な行為がみられる場合は、心療内科や精神科を受診することも大切です。

精神科を受診することをためらう方もいますが、うつ病などは早期治療が大切なので、精神的に不安定な印象があれば、念のためにも受診してみましょう。


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