中学生の不登校で気になるのが高校受験ですよね。
- 出席日数で不利にならないの?
- フリースクールの出席だと内申点はどうなるの?
不登校により出席日数で不利になってしまうのは、もどかしい気持ちですよね。
ここでは、不登校でも出席扱いになる方法と、高校受験で不利にならないために今からできることをお伝えします。
あなたの子どもに合う形で、出席扱いになる方法を取り入れていきましょう。
このページの目次
1.不登校の子どもはどうしたら出席扱いになる?
まずは、文部科学省の「出席扱い」の定義をおさえておきましょう。
全国的に不登校の子どもが増えたことで、文部省も「不登校」「出席」に対する考え方が変わってきています。
不登校児童生徒が学校外の施設において指導等を受けている場合、これらの児童生徒の努力を学校として評価し支援するため、我が国の義務教育制度を前提としつつ、一定の要件を満たす場合に、当該施設において指導等を受けた日数を指導要録上「出席扱い」とすることが可能となっています。この「出席扱い」は、当該施設への通所または入所が学校への復帰を前提とし、かつ不登校児童生徒の自立を助ける上で有効・適切であると判断される場合に認められます。その際、保護者との学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていることが重要です。また、民間施設における指導等に関して「出席扱い」が考慮される場合には、当該民間施設における指導等が適切であるかどうか、学校長と教育委員会が連携して判断することとされています。
引用:文部科学省
上記を要約すると
- 学校外でも、義務教育の学習ができる一定の基準を満たした施設に通っていること。
- 学校への復帰が前提で、不登校の生徒の自立に適切と判断された施設に通っていること。
- 保護者と学校のあいだで、連携・協力体勢がとれていること。
これらが満たされ、学校長の許可を得た場合に「出席扱い」となります。
2.不登校の子どもが出席扱いになる3つの方法
授業を受けていなくても出席扱いになる具体的な方法についてご紹介します。
2-1.保健室に通う
「学校に通う」ことにはなりますが、保健室に通うことでも出席扱いにはなります。
教室に入るのは辛いけど、保健室なら通えるという方は保健室登校を検討しても良いでしょう。
また、保健室の先生と相性がよかったり、保健室登校をしている子と仲良くなったりすることで、保健室が子どもにとっての居場所になることもあります。
無理やり行かせるのではなく「本人にとって安心できる」「居場所になっている」と判断できる時に、保健室登校を取り入れていきましょう。
2-2.フリースクールに通う
フリースクールは民間で運営されている「不登校の生徒のための学校」です。
教育内容の基準を満たしており、学校長の許可があった場合は出席扱いとなりますが、学習内容が充実している施設も多いので、学校の許可を得るにあたり、学習内容が課題になる可能性は低いです。
フリースクールのメリットは、新しい友だちを作ることができ、コミュニケーション能力も身に付けていけることです。
学校では気の合う友だちができなかったとしても、フリースクールで気の合う友だちができることもあります。
またフリースクールに通うことで、心が落ち着いたり、もう一回学校に通ってみようかなと思うきっかけになったりするので、学校に戻るための練習として取り入れるのも良いでしょう。
フリースクールは全国にできており、通うこと自体のハードルは下がっていますが、出席扱いにしてほしいのであれば、校長の許可が必須になるので、必ず事前に学校にも相談しましょう。
2-3.出席扱いになる通信講座を受ける
自宅にいながら出席扱いにしたい場合は、文部省の基準を満たした通信講座を受けることでも出席扱いになります。
この通信講座は、パソコンやタブレットを使用した講座になります。
通信講座も校長の許可は必須なので、かならず事前に学校に相談しましょう。
すらら通信なら、文部科学省の指導要綱を満たしており、出席扱いになるための条件を満たしています。
しかも学校の許可をとるのに、保護者だけでは対応が難しい場合は、学校の許可を得るためのサポートにも入ってくれます。
また、その日の学習内容が記録され、学校長や担任の先生にも画面共有ができるため、毎回報告のためにレポートを書く必要もなく、同じ情報をすらら通信、保護者、学校が共有できるので、学校に進路の相談もしやすくなります。
通信講座を検討する場合は、資料請求をしてみましょう。
3.オンライン授業を受けて、出席扱いにできないの?
コロナ感染にともない「オンライン授業」を取り入れる学校が増えました。
その時に、オンライン授業を受けることで出席扱いになるのかどうなのか?で自治体の対応が分かれました。
また、コロナに感染して出席できないのか、自分の判断で出席しないのかでも扱いが変わったり、「出席扱いにする」と言った翌月には「欠席扱い」になったりする自治体もありました。
そのような状況なので、不登校の子どもがオンライン授業を受けることで出席扱いになるのには、まだ時間がかかるかもしれません。
ただ不登校に対する社会の理解は深まってきているので、一度学校に相談してみても良いでしょう。
4.フリースクールの出席日数は高校受験に不利?
フリースクールの出席日数が、高校受験で不利になるのかを気にする方は多いですが、校長の許可を得ている場合は「出席日数」としてカウントされるため、「フリースクールの出席日数だから」という理由で受験が不利になることはありません。
また、私立高校を受験をする場合は、出席日数や中学時代の態度などを評価対象に入れていない学校も多いので、その場合は出席日数を気にする必要はないでしょう。
受験要項をみると、その学校の評価基準を知ることができます。
ただ、公立の場合は「内申点」が受験に影響するため、内申点を上げる対策をしておく必要はあります。
私立の場合は、面接で不登校の理由を聞かれる可能性があるため、面接で答えられる準備は必要になります。
高校によっては「不登校枠」という受験枠があったり、不登校の子どもの受験相談を受けていたりする学校もあるので、出席日数が気になる場合は、そのような学校に相談してみるのも良いでしょう。
5.高校受験の内申点はどうなるの?内申点を上げる方法
不登校の子どもが、内申点を上げるためにできることをお伝えします。
5-1.担任の先生と連携をとって提出物を出そう!
不登校で内申点を上げるためには、担任の先生との連携が重要になってきます。
フリースクールや通信講座を受ける場合であっても、学校が生徒の学習面を評価し、フリースクール等の施設や子ども、保護者に指導を行っていくことが大事だと文部省のホームページでも記載されています。
当該児童生徒が在籍する学校がその学習の状況等について把握することは,学習支援や進路指導を行う上で重要であること。学校が把握した当該学習の計画や内容がその学校の教育課程に照らし適切と判断される場合には,当該学習の評価を適切に行い指導要録に記入したり,また,評価の結果を通知表その他の方法により,児童生徒や保護者,当該施設に積極的に伝えたりすることは,児童生徒の学習意欲に応え,自立を支援する上で意義が大きいこと。
受験に必要な内申点は担任の先生が付けるため、担任の先生に学習状況を知ってもらい、それを適正に評価してもらえるように、こちらからアプローチしていきましょう。
授業に必要な提出物や、授業内容を理解していることを証明できる提出物を出すことで、内申点を考慮してもらえないか相談することも大切です。
ここは普段の学校とのやりとりや、信頼関係によって対応が変わってくる部分なので、こちらから積極的にコミュニケーションをとるように心がけましょう。
5-2.定期テストはしっかり受けよう
定期テストは内申点に大きく影響するので、可能なかぎり定期テストは受けましょう。
もし教室で受けるのが難しければ、保健室で受けるのも良いでしょう。
公立高校の受験は、当日の試験と内申点の合算で評価されるため、志望する高校によって、目標にしたい内申点は変わってきます。
担任の先生に相談すると、あなたの子どもの実力テストの結果と、志望校のレベルをみながら「この学校に行きたいなら、内申点でこのくらいは必要になる」と教えてくれます。
そして、内申点でこの点数をとるためには、定期テストで最低何点は必要といったことも教えてもらえるので、先生に志望校の相談をしながら目標とする内申点をとっていきましょう。
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