小学生の子供が、クラスの子供から暴力を振るわれている。もしくは家に帰ってくると、全身にあざができていたいり、怪我をしたりしていることから、友達に暴力を振るわれるいじめを受けていることが発覚するということはよくある話です。
当然のことながらあなたはそのいじめを放置するわけにはいきません。今回はどのようにして暴力を振るわれるいじめを食い止めるかについて3つの対応策をお伝えします。
このページの目次
1.暴力を振るういじめとはどのようなものか
私自身、小学生の頃に暴力を振るわれるいじめを受けたことがあり、当時の体験談とここ最近よくご相談を受ける内容をお伝えします。
1-1.自身の暴力によるいじめの経験について
私が小学生だった頃は、校庭に半分土から出た状態の車のタイヤがあり、それを跳び箱代わりに遊ぶ遊具がありました。私んクラスメイトだったS君が私がそのタイヤの上に立った時にわざと後ろから押してきて、私はタイヤから落ちてしまいました。その時は擦り傷で済んだのですが、他の人にも同様のことを行い、前歯がかけてしまった子もいました。
1-2.よくある暴力によるいじめの内容について
またよくご相談を受ける内容としては、掃除時間に廊下を歩いている時に、わざと教室の床を掃くほうきを足元に出して転ばせたり、列に並んで歩いている時に横からドンッとぶつかってきて、廊下の壁に当てたりするということがあります。
またその他にも、下校中にランドセルの後ろから走って体当たりをして、その拍子に転んでしまうということもあります。中でも酷いいじめは、掃除時間に使うほうきで叩いたり、いじめられっ子をつついたり、さらにはトイレに入っている時に後ろから人差し指で浣腸をするというものまであります。(トイレの個室に入っている時にホースで水をかけられることもあったとのことです)
このようなことをされた子供達は前歯を折ったり、全身にアザができることは当然のことながら、服が汚れたりもします。このような見た目の状況から親御様であるあなたや周りの先生がいじめに気づくというケースが多いです。
ここからはどのようにしてこれらの暴力によるいじめを止めていくのかについて3つの方法をお伝えします。
2.暴力を振るういじめっ子と距離を置く
2-1.距離を置くことの大切さ
そもそも論ではありますが、まずは暴力を振るういじめっ子から距離を置くことが初期対応になります。今までは仲が良かった友達が急に暴力を振るってくるというケースもよく耳にします。今まで仲が良かったからこそ、仲直りができるのでは(何が原因なのかも分からないことが多いですが)と安直に考えてしまいますが、きっぱり縁を切ってしまうことが大切です。
2-2.距離を置くことができない理由
距離を置くことが大切ということは分かっていても、なかなか距離を取れないことがあります。そのような場合は、「距離を取ると何かされるのではないか?」と潜在的に考えてしまっている可能性があります。むやみに「距離を置きなさい」と言うのではなく、「距離を取ろうと思ってもなかなか取れない理由って何かな?」と言うことをお子様と一緒に考えてみることが大切です。
大抵の場合、
- 今まで仲が良かったから
- 距離を取ると余計に暴力を振るわれてしまう
- 相手から自分の方に来るから、距離を取ろうにも取れない
- 他に遊ぶ人がいない
といった内容です。これらを克服するにはどうしたら良いか?ということを一緒に考えてあげることで、徐々に距離を取ることができるようになります。
2-3.距離を置くための方法
先ほど、距離を置きたいが、なかなか距離を置くことができないということで、いくつか理由が出てきました。具体的にこれらに対して、どのような対応を取れば良いかについてお伝えします。
- 今まで仲が良かったから
→他に仲が良い人はいないか?必ずしもその子に固執する必要があるのか?ということを考える
- 距離を取ると余計に暴力を振るわれてしまう
→なぜ距離を取ると暴力を振られ、どのような時にそうなるのか?あからさまな避け方や無視をすることで暴力を振られるのであれば、少しずつでも距離を置くようにする
- 相手から自分の方に来るから、距離を取ろうにも取れない
→相手から自分の方に来るのであれば、相手は仲が良い人がいないのでは?ということは相手が嫌っている相手(もしくはいじめを注意してくれる人)と普段から話すようにすると、わざわざ近寄ってこないのではないか?
- 他に遊ぶ人がいない
→本当に仲が良い人はいないのか?話しかけて仲良くなれそうな人はいないのか?ということを考えてみる
このようにして考えてみると、意外と解決策や対応方法が見えてくるものです。このような考え方を元に、あなたのお子様に合った方法で質問をして、解決策を考えてみてください。
3.暴力を振るわない人と味方になる
3-1.いじめっ子を友達だと思ってしまう
そもそも暴力を振るってくるいじめっ子は友達ではありません。このことは当たり前だと感じてしまうと思いますが、実際に暴力を振るわれているいじめっ子の立場になってしまうと、周りが見えなくなってしまい、関わることができるのはいじめっ子しかいないと思ってしまいがちです。
3-2.暴力を振るわない仲間がいることを認識する
あなたも知っているように、本当の友達は暴力を振るういじめはしません。当たり前のことですが、暴力を振るわない友達がいることをお子様に認識してもらう必要があります。
私の場合は、前年に同じクラスだった子がとても優しく強い子で、休み時間にいじめを受けていた時に、「何やっているんだ!」と仲裁に入ってくれていました。当然のように彼のことは友達であると心の底から思っていますが、当人はなかなかこの事実に気づくことができていない場合もあります。
ですからまずはお子様に、「あなたを助けてくれる友達がいないのか?」ということを改めて聞いて考えさせる必要があります。また、助けてくれなくても、いじめをせずにいつも遊んでくれる人だけでも十分心の支えになります。
もっとも優先するべきことは、いじめっ子だけに固執する必要はなく、他にも心強い友達や仲間がいるということをお子様に認識してもらうことです。もしお子様の周りに誰一人そのような人がいないという場合は、次にお伝えすることを実践してみてください。
3-3.いじめから守ってくれる友達の作り方
私の友達のように、いじめられている時に救ってくれる友達を作ることは非常に重要です。仮に注意できるほど強くなくても、心の支えになってくれる友達は必要不可欠です。
このような友達を作るにはお子様の過去を振り返る必要があります。
- 今まで仲が良かったけど、疎遠になってしまった人
- 去年のクラスで仲が良くて、今は他のクラスになってしまった人
- 同じ方向が帰り道の子
このような観点でお子様に質問をしてみてください。大抵の場合は何人かお友達の名前が挙がってくるでしょう。そうしたら、挙がった名前のお友達にもう一度話しかけてみましょう。話をすれば、「久しぶりー!」ということで、話も盛り上がり、自然と友達に戻ることができるようになります。
もし、もう話さなくなってしまった人ともう一度話すのは難しいということであれば、彼らでも良いですし、クラスの新しい人でも大丈夫です。こんな観点で声をかけてみては?と提案してみてください。
- 休み時間に同じ遊びをしている人
- 隣に座っている机の人がお昼休みに遊んでいる遊びに加わりたいこと
- 給食で好きな食べ物が同じだということで、話しかけてみる
- 同じ鉛筆やペンを持っているという共通点で話しかけてみる
このような観点で声をかけて話してみるだけで、友達を作るきっかけになったり、休み時間にいじめっ子がいるグループとは違うグループで遊ぶことができるようになります。
そしていじめっ子とは違うグループの友達を作ることができ、人にもよりますがいじめを注意してくれるところまでしてくれることもあります。始めにもお伝えしましたが、必ずしもいじめを注意してくれるとは限りません。しかし注意ができない子でも、いじめっ子とは違う友達と一緒に時間を過ごすことができるだけで、お子様にとっては大きな安心につながります。
4.暴力のいじめを受けるたびに謝罪を求める
この方法は実際に暴力を受け続けていたお子様を親御様の力で解決した事例ですが、必ずしも全ての方ができるとは限りませんし、リスクも伴います。しかしこのような事例もあるということでお伝えできればと思います。
4-1.実際に暴力を受けるいじめが解決した事例
小学校低学年のお子様をお持ちの方で、毎回毎回クラスメイトから暴力を振るわれることで、頭を悩ませていました。学校の先生に相談しても解決の兆しが見えないため、実際に加害者の保護者に連絡を取りました。
そして子供が暴力を受けるたびに謝罪をするように問い詰め続けました。鉛筆を折られた事や、叩かれた事、事あるごとに全て加害者側に謝罪をするように求めたのです。加害者としても毎度毎度謝罪を求められていては大変です。
子供に暴力を振るわないことを徹底的に教え込み、最終的に暴力を振るわれることはなくなったのです。
このような事例もありますが、このことを行うためには次のステップを踏むことが大切です。
4-2.暴力によるいじめについて先生に相談する
あなたが直接いじめっ子の保護者に連絡をいきなり取るというのは可能な限り控えましょう。暴力によるいじめとはいえ、子供の世界に大人が首をつっこむことで、さらにいじめがエスカレートする可能性があります。
まずは学校の担任の先生に、クラスの状況やどのような環境下であなたのお子様がいじめを受けているのかについて聞くことが大切です。その上で、話し合いが必要だと判断されれば、いじめっ子の加害者側と話し合いをしましょう。
小学生のいじめであれば、善悪について子供に教えることで解決することが多いので、スムーズに解決につながることが多いです。ですから話し合いをしてすぐに、上記のような毎回毎回謝罪を求めるようなことはしないようにしましょう。
しかし、2~3週間経っても解決しないようであれば、上記の事例のような形で謝罪を求め続ける事も視野に入れていくと良いでしょう。
5.まとめ
今回は暴力を振るわれるいじめをいかに止めるかということについて3つのポイントをお伝えしました。
ポイント
- いじめっ子と距離を置く
- 新しい友達を味方につける
- 担任の先生に話をした上で、加害者に謝罪を求める
初期の対応方法としては上半分の2つの方法でしょう。最後の担任の先生に相談をした上で、相手親に謝罪を求めるという方法は最終手段であると認識しておいていただければと思います。
あなたのお子様が1日でも早く、暴力を振られるいじめから解放されることを願っています。