いじめを受けているが、先生や学校がまともに向き合おうとしないケースはよくあることです。教員や学校はとても多忙な職場ですので、なかなかいじめ解決まで手が回せないという一面まりますが、「学校は子供達にとって安全な場所」である以上いじめ解決に取り組んでもらわなければなりません。
今回は、いじめ解決の最終手段としてマスコミに取り上げてもらう方法についてお話しします。近年、数多くのいじめに関するニュースが世の中を騒がすようになってきています。その結果学校や教育委員会はすぐに対処するようになってきています。
ですからマスコミに訴えることによって解決する可能性は十分にあります。しかし、マスコミに訴えたからといって必ずニュースとして取り上げてもらえるとは限りません。今回は膨大な量の情報提供されている資料の中から、あなたの資料を取り上げてもらう方法を紹介します。
このページの目次
1.マスコミに取り上げてもらうには?
マスコミに取り上げてもらうにはまず、記者にあなたの持っている情報を届けなくてはなりません。そのためにはまず、「告発文章」を書かなければなりません。そしてその文章を記者に読んでもらいます。
その後、記者があなたの文章に興味を示した場合のみ連絡が来て、記事になる可能性が出てきます。記者に取材をされたからといって必ずしも記事になるわけではありません。紙面のページ数やその時々のニュースのトレンド、内容によって取り上げられるかどうかが決まります。
このように、ニュースとして取り上げてもらうには数多くの高いハードルがありますが、まずはあなたの資料を記者に読んでもらわなければ、何も始まりません。今回は、記者に興味を持ってもらうことのできる告発文章の書き方をテーマにお話ししていきます。
2.資料はA4用紙1枚にまとめる!
1.情報提供資料の役割
まずは情報提供の資料を書かなければなりません。この資料を書かなければ、何についてニュースとして取り上げれば良いのか分かりません。また、ニュースとして取り上げてもらうには、記者にあなたの事件の概要を伝えなければなりません。このような理由で大変ではありますが、情報提供の資料を作成しなければならないのです。
2.1枚にまとめるメリット
情報提供はほとんどの場合、郵送もしくはFAXによって行われます。どちらの方法を選択するにしても、資料はA4用紙1枚に納めなければなりません。あなたの伝えたいことが100ページ分あったとしても、その資料をまとめて送ることはしてはなりません。
あなたが記者で、毎日何十通とくる情報提供の資料に目を通す時に、本のような資料は目も通さずに捨てるでしょう。たいてい、そのような膨大な情報が載っている資料は内容が詳細すぎる上にまとまっていません。そのような資料は読むだけ時間が無駄ですので、廃棄されてしまいます。
逆に言えば、A4用紙1枚にまとまっている資料は概要がきちんとまとめられており、簡単に目が通せるため記者にも読んでもらいやすくなります。
3.資料の構成
ではA4用紙1枚でどのようにして資料を作成していけば良いのでしょうか?下の写真は一般的な資料の書き方のテンプレートです。
これから一つ一つ詳しく説明していきますが、その前にこの構成の順序についてお話ししておきます。このテンプレートの構成は上から「タイトル」→「写真」、、、「連絡先」となっています。これは記者の方が読む順番と同じ順番になっています。
まずはタイトルを読んで、面白そうであれば写真を見ます。そしてさらに読み進めていき、ニュースにできると判断すれば、最下部に書いてある連絡先に連絡をします。何気ない順番かもしれませんが、記者が読みたい順番にしておくことで、記者がストレスなく読めるようになります。
ストレスを溜める資料は基本的に読まれません。冒頭にもお話ししましたが、何十ページもある資料は読みません。それはストレスの溜まる資料だからです。ですから、文章を作成する際は、記者にとって読みやすいかどうかを十分に検討するようにしてください。
3.記者の目を引くタイトルのつけ方
1.タイトルの重要性
当記事で何度かお話ししていますが、記者は膨大な資料を毎日読んでいます。いかにして膨大な資料をさばくかというと、先ほどのもお話ししたように、タイトルだけを見て使えるかどうかを判断しています。タイトルを見て面白そうだと思った場合だけ、読み進めていきます。
ですから本文の内容がいくら良くても、タイトルのつけ方が悪いと読んでもらえません。しかしタイトルにはある一定の規則があり、それさえクリアしていれば、ニュースやブログなどを書いたことのない一般的な人でも、記者の心に響くタイトルをつけることができます。
2.タイトルは30文字以内
タイトルは基本的にできるだけ短くするように心がけてください。記者はパッと見てその資料が有効かどうかを判断します。記者が目を通す1秒の間に、どれだけ良い情報なのかを伝えるには、短い文でかつ内容がわかるタイトルである必要があります。
記者が資料に目を通す数秒の時間に理解できる文字数は30文字程度です。それ以上になると、ほとんどの確率で資料を最後まで読んでもらえません。
また、タイトルは1文でなければなりません。2文になってしまうと、上段と下段の関係性を一瞬では把握できなくなってしまいます。これもまた、記者にストレスを与える資料となってしまいます。
3.記号や赤文字には要注意
ブログやキャッチコピーを書いている人によくあることですが、タイトルに「!」や「!?」などの記号を入れることがあります。また一般的なパワーポイントや資料でも、赤文字を入れることで内容を目立たせることができるため、多用する方がいます。一般人向けのフレーズにこれらの記号や赤文字を入れると、注意を引くことができるので効果的ですが、あなたが書いている相手は記者です。
記者に対してこのような技法を使うと、内容ではなく表現技法だけで勝負しているように見えてしまいます。またこれらの技法が人の注意を引きつける技法として有名なだけに、本来はとても良い内容であったとしても記者にとってはその情報が胡散臭く感じられることさえあります。
ですから必要な情報だけを組み込むようにしましょう。
4.具体的なタイトルを!
タイトルについても、それを見ただけで大まかな内容がわかるタイトルでなければなりません。よくある例としてタイトルに「いじめについて」とする場合があります。一見、タイトルが短く良さそうに見えますが、内容が抽象的すぎて、全く全体のイメージがつかめません。例えば、どのようないじめなのか、誰が行なっているのかなど、記者にとって非常に重要な情報までイメージがつかないのです。
このようなタイトルだと記者は興味を持ちません。ではどのようにすれば一瞬で内容が把握でき、記者にも興味を持ってもらえるのでしょうか?
ポイントは「抽象的なタイトルよりも、より具体的なタイトル」ということです。具体的なタイトルにすれば、先ほどの記者にとって必要な事象が補うことができます。全ての事柄をタイトルで補う必要はなく、記者がそのタイトルを読んで全容がイメージさえできれば良いのです。
例えば
A:「15人の小学生から集団暴行」
B:「中学生の部活内いじめに教員気づかず」
などといったタイトルの方が有効です。しかしなかなか具体的なタイトルは思いつきません。
具体的なタイトルにするコツは「数字」と「固有名詞」を含めることです。
Aの場合は「15人」という数字や「小学生」という固有名詞が入っています。このことからいじめなどがあったと推測することができます。
またBの場合は「中学生」という固有名詞に加えて、いじめがあったにも関わらず、教員は何も行動を起こさなかったことがわかります。
このように「数字」と「固有名詞」を入れた上で30文字以内のタイトルで抑えるように努力していきましょう。
4.写真で事実証明
1.写真による信憑性の向上
タイトルの次に見られるポイントは「写真」です。構成上、タイトルの下に写真があるという理由もありますが、他にも最もたる理由があります。
それは、その報告が「事実」であるかどうかを見極める最大のポイントだからです。新聞や雑誌などのマスコミには日々膨大な報告書類、密告書類が届けられます。中には逆恨みなどを理由に根拠のない嘘を平然と書いて送る人もいます。そのような書類には大抵写真が掲載されていません。
しかし書類に写真が掲載されていれば、その書類の信憑性が格段に高まります。
2.どのような写真が効果的か
ではどのような写真だと良いのでしょうか?
いじめが実在するという事実確認ができたり、そのいじめの状況が伺える写真が最も効果的です。実際にいじめや暴行を受けている写真や、多数の生徒に囲まれている状況の写真だと、信憑性が高まります。また証拠を確実に取っているためニュースとして取り上げる可能性も高まります。
これらの証拠写真はあなた自身がお子様を追跡して取ることもできすし、カメラを物陰に隠して、隠し撮りをすることもできます。しかし私が多くの相談者様にオススメするのは「探偵」です。
探偵にいじめ調査依頼をすると、高画質で鮮明な写真かつ、証拠として十分に使用可能な状況や角度から撮影してもらうことができます。マスコミは当然多くの読者を持っていますので、写真が高画質であればあるほどありがたがられます。
5.リード文の書き方
1.リード文とは
写真の下にはリード文を書きます。「リード文」という単語はなかなか聞き慣れない単語ですので、少し説明します。
リード文はタイトルの次に短い文章です。タイトルでは30文字という制約がある中で絞りに絞って必要なものだけを詰め込みました。しかしリード文ではタイトルに加えてもう少し詳しい説明をすることで、全体の概要を説明します。
2.リード文はできるだけ簡潔に
リード文はタイトルよりも詳しく説明できるとは言いましたが、詳しすぎても良くありません。基本的には5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、どうした)のうちの「誰が何をしたか」を書きます。ニュースの本質は基本的に「誰が」という主語と「何をしたか」という動詞で成り立っています。
これに火梅雨であれば他の情報も付け加えていくという形でリード文を作成していきます。
タイトルの例で
A:「15人の小学生から集団暴行」という例がありました。このリード文は
「東京〇〇区の小学3年生が上級生15人から暴行を受けていたにも関わらず、学校は何も行動をせず黙認していた」
という形になります。「どのような人か」と「何をしていたか」という2つの内容を組み込んでいます。黄色のラインが引かれている部分がそれにあたります。
全体の要約であっても、何行にもわたる文ではなく、できるだけ簡潔にまとまるようにすることがポイントです。
6.本文の書き方
1.5W1Hを含めて少しだけ詳しく書く
先ほどのリード文ではWHO(誰が)とWHAT(何をする)という天に焦点を当てて書いていました。しかし今回は本文です。本文はリード文より詳しくなくてはなりません。しかし、詳しいからといって、長すぎる文もいけません。
必要最低限の情報と、少しのわかりやすくなる表現を入れるだけで十分なのです。ここでいう必要最低限の情報とは、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、どのようにしたのか)というポイントです。
先ほどのリード文の例は
「東京〇〇区の小学3年生が上級生15人から暴行を受けていたにも関わらず、学校は何も行動をせず黙認していた」
でした。
このリード文に対する本文は、どのくらいの期間いじめを受けていたのかという期間、いじめの内容の詳細、どのような対策を学校に対して打ったのかなどという内容です。
これらの情報さえ入れれば、他は無駄に長くする必要はありません。あまりにも長いと、せっかく手に取ってもらっても、読んでもらえなくなる可能性もあります。
2.社会性と関連づける
メディアは基本的に社会のことを伝えることが仕事です。決してあなたのことを取り上げているのではありません。逆に言えば、社会で問題になっていることとあなたのことを関連づけることができれば、ニュースとして取り上げてもらいやすくなります。
一昔前はいじめが原因で自殺するというニュースが多かったと思います。最近は
・教育現場の劣悪な環境
・カウンセラー不足
・教師の人数不足
・子供の教育
についてなどの社会問題と関連づけると、ニュースに取り上げてもらいやすくなります。
例えばカウンセラー不足と関連づけるのであれば、
「カウンセラー不足が原因で、学校がいじめを見抜けなかったことが今回の事件の原因だと考えています。」といった文章を書くことによって、記者からするとニュースに取り上げやすくなります。
7.連絡先も忘れずに!
最後に連絡先も忘れずに書くようにしましょう。連絡先を書き忘れてしまうと、せっかく記者に興味を持ってもらっても連絡してもらえなくなります。たとえ封筒に住所を書いていたとしても、大抵の場合はメールか電話での連絡なので、連絡される可能性は低いでしょう。
では連絡先には何を書けば良いのでしょうか?
基本的には
・名前
・電話番号
・メールアドレス
を書いておけば十分でしょう。
8.まとめ
最後にあなたの文章がきちんと記者向けの文章になっているかどうか確認していきましょう。
2.写真は一目で見ていじめられているかどうか分かるか
3.社会的背景を取り込んでいるか
記者は毎日膨大な量の資料が手元に届きます。その中であなたの資料に興味を持ってもらうには、今回お話ししたことをきちんと実践していくだけです。マスコミに取り上げてもらうことで、いじめが解決の方向へ向かっていくことを願っています。