親御様が子供の頃、時代は昭和でした。その頃はあまり「いじめ」というものは認識されていませんでした。ほとんどの場合、ケンカによって解決されていました。
しかし今はどうでしょうか?ニュースでも度々「いじめによる自殺」が取り上げられています。親御様が子供の頃の環境と今とでは大きな差があります。
そしていじめも驚くほど複雑化、肥大化しています。あまり知られていないことですが、一度いじめられると負のスパイラルに陥ることも多々あります。
お子様をいじめから守るためには、親御様自身がきちんとした知識をつけてお子様と接することが重要になります。今回は、いじめられるとさらにいじめられるという「いじめの負のスパイラル」について解説していきます。
このページの目次
いじめの負のスパイラルとは?
これから一つ一つ丁寧に説明していきたいと思います。
子供がいじめられる原因とは?
そもそもなぜ子供達がいじめられてしまうのでしょうか?子供達のいじめは学校が発端という場合がほとんどですので、学校でいじめられることを前提にお話ししていきたいと思います。
最近学校の先生方とお話しさせていただく機会が多く、様々な方と「いじめの原因」について議論させていただいています。その中でもやはり「雰囲気」がいちばんの原因だと言われています。
学校・クラスの雰囲気が一番いじめの原因
最近学校の先生とお話しする機会が多いのですが、そこでもやはり学校やクラスの雰囲気がいじめを作るかどうかを決めると話されています。
ではどういう雰囲気かというと、お互いを認めたくない、他の人よりも上に立ちたがろうとする雰囲気です。なぜ人よりも上に立ちたがろうとするのかというと、上に行けばまず「友達ゼロ」ということは回避できるからなんです。
「友達がいない」という状況はほとんどの子供にとって最も苦痛の環境です。なのでどうにかしてそれだけは回避したいというのが子供達のキモチなのです。
クラスの中で上下関係ができてしまうと、、、
あの人には従わないといけない
あの人の言うことは絶対だ!
というような雰囲気になってしまいます。
上下関係ができたクラスの先にはいじめがある
このような上下関係は1ヶ月もあれば見事に完成してしまいます。上下関係ができてしまっても焦る必要はありません。ボスと呼ばれるような人が良い人であれば、、、
ただ多くの場合そうではありません。ボスと呼ばれる人は自分の地位を守るためにいじめる対象を探すのです。みんなをその「いじめ」という行為に目を向けて、自分の地位を奪おうとする人をなくすのです。
こうしてクラス内でいじめが起きていきます。ここではクラス内としていますが、部活や普段の仲良しグループでも同じことが起こります。
自信を失くすという第二の原因
先ほどまではどのようにしていじめができていくかということをお話ししました。一般的に「いじめはいじめ」だけで終わらされてしまいます。しかしそれだけでは終わらない一面があるのがいじめなのです。
それが負のスパイラルの2つ目、自信を失くすということです。
いじめられると、まずは自分自身にコンプレックスのようなものを持ちます。例えば、頭が悪くていじめられているのであれば勉強に対して、体型でいじめられているのならば体型に関してといった感じです。
誰でも弱いところは持っています。ただそれを普段指摘されないので、何も思わないだけです。しかし、彼らは常に「お前の〇〇はダメだ」と言い続けられる環境にいます。
そうすると自分に自信が持てなくなります。「私の〇〇はダメなんだ、ダメなんだ」と一日中考えて、ネガティブ思考に陥ってしまいます。
自身が持てなくなるとコミュニケーションが取れない
自分に自信が持てなくなると、普段あなたが行なっているような振る舞い、会話ができなくなります。
例えばいじめられている子、A子ちゃんにクラスメートのB君が話しかけます。その時にB君は悪気はなく、A子ちゃんを笑わせるために冗談を言います。しかし、そのような冗談さえA子ちゃんはB君がいじめてきているのだと思い込んでしまいます。
その結果笑うこともできず、「そんなこと言わないでよ!」と言ってしまい、B君には「ノリが悪い子」と思われてしまいます。
これは一例にすぎませんが、自信がなくなるとどんな時でも「いじめられている」という思い違いをしてしまいます。そしていつもオドオドしていたり、普通の会話ができなくなったりします。
新たな弱点が原因でいじめられる
普通の振る舞い、会話ができなくなると、これもまたその人の弱点になってしまいます。そして「あいつはいつもオドオドしているノリの悪いやつ」と言われるようになってさらにいじめられていくようになってしまいます。
いじめられるとさらに自信をなくし、新たな弱点が増え、今まで以上にいじめられるようになるという負のスパイラルに陥ります。
まとめ
この負のスパイラルを理解していない人が多いので、何も対応できずに自殺してしまうということが相次ぎます。ここで今、いじめには負のスパイラルがあるということを認識したあなたはとても素晴らしいです!
自殺や不登校は身近に起きていますし、もしかすると知らないところであなたのお子様もいじめの対象になっているかもしれません。負のスパイラルに陥る前に、あなたの大事な可愛いお子さんを救えるのはあなただけです!