なぜ子供はいじめをしてしまうのでしょうか?

いじめをする子供の本質は自己肯定感の低さにあります。実際にどのような子供がどのような心理からいじめをしているのかについてお伝えします。

1.いじめっ子の本質的な特徴とは何か?

いじめは目に見えやすく、具体的な事例を挙げると無数にあります。しかし、どのようないじめでも、いじめっ子に共通する本質的な原因が3つあります。

本質的にいじめっ子は何を求めて、いじめをしているのかを理解した上で、実際にどのような心理からいじめをしているのかとう具体的な事例に移っていきましょう。

1-1.自分の安心・安全を確保したい

まずは、人間の心理として、自分が安心できる場所や心理的な安全を確保できるところを目指す習性があります。例えば、崖っぷちに立ったりバンジージャンプをしたりするなど身の危険を感じる場所はできるだけ避けたいとあなたでも思うことでしょう。

いじめっ子は、家庭内暴力などで家に居場所がなかったり、家に帰っても叱られるばかりで、褒めてもらった経験がなかったりするなど、常にストレスを抱え続けている場合が多いです。ストレスがのしかかり続ける状態は、身の危険を感じる場所だと人間は認識します。

そこで安全な場所として、ストレスがない場所(=身の危険を感じない場所)を探すようになります。しかし、どのような場所でもストレスをかけられる危険性は存在します。そこで自らが他人の上に立ち、暴力などのいじめを振るうことで、誰かからいじめられたり、ストレスをかけられたりするリスクを下げようとしているのです。

このように、誰からもストレスをかけられないようにするために、いじめっ子は自らが他人にいじめという手段を使って、ストレスをかけられない環境を手にしようとしているのです。

1-2.ストレスを発散したい

先ほどは親からストレスをかけられていると身の危険を感じるため、いじめという手段を用いて安全な環境を手に入れているというお話をしました。安心・安全な環境を手に入れることはもちろんですが、親や先生などから多大なストレスをかけられる子供は、そのストレスを発散する先として自分よりも立場の弱い人にいじめをして、ストレスを発散するということもあります。

親や先生から「〇〇の私立名門学校に必ず合格するのよ」と言われ続けたり、幼い頃から幼児教室やピアノ、野球に習字、そして塾などと自由な時間を持たせない教育を受け続けていたりする子供がいじめをする傾向があります。

1-3.いじめっ子は自己肯定感が低い

どのようないじめをしているかに関わらず、ほとんどのいじめっ子は自己肯定感が低いことが最大の特徴です。

自己肯定感は、自分のことを認めてもらい、自分自身の存在を肯定してもらう経験が多ければ多いほど、高くなります。一方で、いじめをしてしまう子供は家庭環境に問題があったり、親から多大なプレッシャーを与えられたり、他の子供と比較されて卑下されたりしていることが多いです。

例えば、テストの点数ばかり見る親御様がいるとしましょう。その場合、子供の点数が高いときは褒めてあげることでしょう。しかしながら、一度点数が落ちてしまい、それが継続して低迷したままだとすると、「もっと勉強しなさい!」などと声をかけることと思います。この発言は子供にプレッシャーを与えており、点数しかでしか褒められないのだという意識を子供に根付かせてしまいます。

その結果、テストの点数が低迷したままだと、他の部分で親の目を自分の方に向けたいと子供は考えるようになります。そして、いじめが悪いことだと知っていて、先生や親に注意されると知っていても、親の注意を引くためにいじめをするということがあるのです。

現代の子供たちは、先生や親などから多大なプレッシャーを与え続けられ、褒めてもらう機会が非常に少なくなっています。そのため、必然的に自己肯定感が下がり、いじめをしてしまう傾向が顕著です。

2.なぜいじめっ子はいじめをしてしまうのか?

ここまでは具体的ないじめっ子の事例や心理を取り上げる前に、どのいじめっ子にも共通しているいじめをする根本的な心理や原因についてお伝えしてきました。

ここからは、実際にどのような心理からいじめをしてしまうのか?という、それぞれのいじめっ子の特徴をお伝えしていきます

2-1.他人のことを嫉妬してしまう

いじめっ子の特徴として、スポーツや勉強が苦手な子供が多いことが挙げられます。なぜこのような子供がいじめっ子になるかというと、嫉妬心があるためです。

子供の世界の中では、スポーツや勉強ができることは一種のステータスです。しかしいじめっ子自信がそのステータスを持っていない場合、それらを持っている人を羨ましく思うことは当然のことでしょう。そして、それらができる人を「できないようにしてやろう」や「痛みつけてやろう」と思い、いじめを始めるのです。

これは先ほどお伝えした、いじめっ子に共通する特徴の中では、「自己肯定感が低い」というものが関係しています。いじめっ子自身に自信がないからこそ、他の人を蔑もうとするのです。

2-2.自分のことをかまって欲しい

子供は誰でも自分のことを認めてもらいたい存在です。しかし、周りの友達から無視をされていたり、友達が少なかったり、親からもほとんど無視されてしまうような状況の子供は、誰でも良いから自分の方を見て欲しいと思ってしまうものです。

その結果、自分よりも立場の弱い子供にいじめを行うようになります。そして、「やめてよ!」と反撃してくるいじめのターゲットや、いじめを注意する先生や友達がいることに快感を覚えるようになるのです。いじめをすれば、誰かと話すことができるようになり、注目の的になることが分かるといじめをやめられなくなってしまうのです。

このように、いじめっ子は自分自身のことを認めてくれる存在を必死に作ろうとすることが特徴であると言えます。

2-3.気持ちの浮き沈みが激しい

いじめっ子の特徴には、喜怒哀楽などの情緒が不安定であるというものがあります。この特徴を持ついじめっ子は、一見すると友達と楽しそうに遊んでいるので問題ないように見えます。

しかし、家に帰ると親から「勉強をしなさい」、「ピアノのコンクールで優勝しなさい」などと多大なプレッシャーをかけられることがほとんどです。そしてそれらのプレッシャーによるストレスをうまくコントロールすることができず、落ち込んでしまいます。

見た目は明るく取り繕っていますが、本心はとても苦しいため、どうにかその苦しみから逃れようとします。その手段として、弱い立場の子供にいじめを行うことでストレス発散をしているのです。

2-4.他の子供から嫌われたくない

クラスの中や女の子のグループの中でいじめがある場合に、いじめのターゲットを自分に向けないようにするために、いじめをするということがあります。

これは、いじめを始める主犯格ではなく、その周りにいる子供達に多い特徴です。仮に自分自身がいじめられるわけがないという自信を持っていれば、いじめをすることはありませんが、いつ自分がいじめのターゲットにされるか分からないという恐怖感がある場合は、主犯格の指示に従っていじめをするようになります。

いじめっ子の意思ではなくても、必然的にいじめをせざるを得ないという環境にも問題がありますし、自分自身に対する「いじめられるわけがない」という自信の無さの表れでもあります。

3.まとめ

いじめっ子は基本的に「自己肯定感の低さ」が原因となり、いじめをしてしまうようになります。そして自己肯定感の低さは親や先生、周りの子供よりも立場が上の人たちからの多大なプレッシャーによるストレスや人格の否定などが原因です。

そのため、自己肯定感を上げることができるように、褒める回数を増やしたり、プレッシャーをかける際にも、きちんと褒めるという行為をしてから「もっと頑張ろうね」などという声かけをすることが必要です。

また、勉強やスポーツなどに秀でて欲しいという願いはどの親御様でも持っていることでしょう。子供のレベルを上げようとする時には、親御様視点で「もっと頑張って」というのではなく、子供自らのやる気を奮い立たせるような接し方をすることも重要です。

いじめを受けているお子様をお持ちのあなたは、いじめっ子に対して褒めるというアプローチを取るだけでも自己肯定感を上げることはできますし、結果的にいじめが解決することもあります。より具体的ないじめ解決方法についてはこちらの記事にてより詳しく説明していますので、ご覧ください。

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