小学1年生の時から仲良しグループだったのに突然、子供が無視されるようになったとあなたは驚きを隠せないのではないでしょうか?このような話は小学生の中ではよくある話です。
驚きを隠せずについ、子供を怒ったり、加害者の子供に口を出したりしてしまいがちですが、これらは不適切な対応です。友達からの無視に対する適切な対応方法をあなたが取ることで、いじめを解決することができるようになります。
今回は、子供に無視されている相談を受けた時にあなたが今すぐ行動するべき3つの対応方法についてお伝えします。
このページの目次
1.子供が無視される原因とは
そもそもなぜ子供があれだけ仲良しだったグループから無視をされてしまうのでしょうか?
このようないじめは小学生に多いいじめで、特に理由がないというのが子供たちの考えでしょう。しかしながら、無視を始めようと言い出す子供の多くは、承認欲求が満たされていないという実情があります。無視をすることで、いじめている相手が自分を気にかけて、かまってくるだろうという考えから無視を始めるのです。
このような子供は、日頃から両親とうまく話をしていなかったり、怒られ続けていたり、受験に合格しなさいという過度のプレッシャーを与えられ続ける環境にいるという場合が多いです。なかなか褒めてもらうことができないので、褒めてもらったり、かまってもらったりするために、「無視」といういじめに走ってしまうのです。
極論を言ってしまえば、このように無視を始める子供たちの承認欲求を満たしてあげると、必然的にいじめは無くなるのですが、このような対応はなかなか難しいのが実情です。ですから、あなたのお子様にできる対応方法を今回はお伝えします。
2.無視を受けている子供の悩みを聞く
2-1.子供の話を聞いて精神状態を安定させる
友達から急に訳も分からず無視をされてしまうと、子供は困惑します。「なぜ無視されるのだろうか?」と疑問ばかり出てきますし、「何か悪いことをしたのかな?」と考え込んでしまいます。
このような状況を放置すると、自己肯定感が下がり、不登校やうつ病になってしまう可能性があります。そこで、あなたはまず、お子様の話を聞いてあげてください。
実際に悩みを他人に話すと、気持ちが楽になるということはあなたも体験したことがあると思います。他人に話すことで、自分の考えていることが整理されて、結果的に何に悩んでいるのか、どのように対応したら良いのかということがお子様自身で気づくことができるようになります。
2-2.どのように子供の話を聞くべきか?
先ほどは、お子様の話を聞いてあげることが大切とお伝えしました。一方で、どのように話を聞いてあげれば良いのか分からないと不安に思うでしょう。
まずは5分間、学校の話をしっかり聞いてあげてください。
- 「今日はどんなことがあったの?」
- 「なんで友達は無視してき始めたの?」
- 「休み時間は何しているの?」
この時に、決して否定をしないことが大切です。小学生の場合は、なかなか自分の気持ちを言語化することができないので、親であるあなたが代わりに代弁してあげる必要があります。
子供が「休み時間は一人でいるしかなくて、すごく恥ずかしいんだよね」ということを伝えられたら、「そうね。何をして良いか分からないし、苦しいよね」という形でまずは共感をしましょう。そして、「こうしなさい」と指示をするのではなく、「どうしたら良いのかな?」というように未来の明るい方向の話をするようにします。
時には、これ以上いじめをしてくる人と関わりたくないから、現状のままで良いと言う場合もあるでしょう。その時は、お子様にとってベストな状態は関わらないことなので、素直に認めてあげてください。
あくまで子供の気持ちが大切ですので、お子様の考えを尊重しましょう。そして、お子様の話に共感し、本当に伝えたいモヤモヤした気持ちを表現してあげてください。
3.先生にいじめについて相談
子供が「友達から無視されている」という相談をあなたにしているということは、かなり重度のいじめのケースが多い傾向にあります。そこで、お子様が先生に相談しても良いという話をするのであれば、先生に相談してみましょう。
お子様が相談しないでほしいというのであれば、お子様の気持ちを尊重する必要があります。子供は大人以上に、変化に敏感ですから、万が一先生が子供のいじめ解決に参入しようとすると、余計にいじめがエスカレートしたり、陰湿になったりする可能性が高まります。
3-1.担任の先生にいじめ解決をお願いする
あなたのお子様が先生に相談している、もしくは相談してほしいと希望していて、かついじめが酷い場合は早急に担任の先生に相談し、状況を改善してもらいましょう。
私が過去に相談されたケースとして、クラス全員から無視されていて、どうして良いか分からないというケースもありました。この規模になると、担任の先生に対応してもらわなければどうにもならないため、早急に先生の介入をお願いするべきです。
一方で、小さい仲良しグループの中での無視の場合は、無視をしだした張本人の話を聞いてあげて、承認欲求を満たしてあげるという形で、最終的にいじめ解決の方向に進めるのがオーソドックスなやり方です。
3-2.先生に様子を観察してもらう
先ほどは、先生に解決をしてもらう方法をお伝えしましたが、一方で軽微ないじめの場合は、状況観察の方が良いという場合もあります。小学生の場合、2、3日で無視をやめる場合もあるため、相談を受けてすぐに介入するのが必ずしも良いとは限りません。
ですから、少しの期間の無視の場合は、最悪の事態に陥らないように、お子様やその周りの様子を観察してもらうという手立ても考える必要があります。
4.無視されて子供が一人でも大丈夫
4-1.一人でいることが悪いわけではない
学校で子供が友達から無視されているので、どうにか関係を修復させたいと考えるかもしれません。しかし一度、いじめをしてきた相手ともう一度仲良くなろうと考えるお子様ばかりではありません。
これ以上ひどいいじめを受けるのであれば、一人の方が気が楽だし、そもそも関係を修復するつもりもないと思っている可能性もあります。
友達と常に一緒にいることが善だとされていますが、本当にそうなのでしょうか?友達と一緒に遊ぶときも大切ですが、一人で絵を描く時間や本を読む時間も大切です。人それぞれ時間の過ごし方があり、それぞれの価値観があります。
必ず友達と一緒に遊びなさいと強制させることが良いことではないという認識を持っていただければと思います。
4-2.学校以外に友達を作る
先ほど、一人でも子供の精神が安定して、子供自身が望むのであれば問題ないという話をしました。しかし人間ですから、ずっと一人というものは寂しいものです。
そこで、学校以外の場所で一緒に遊ぶことができる人を作る環境を用意するのが親の役目です。例えば、野球やドッチボールなどのスポーツクラブやボーイスカウト、ダンスや演劇などの集団で1つの事を行う習い事は必然的に子供たちの距離が近くなり、仲良くなります。
そしてそのような友達と遊ぶ事で、学校が全てではないという事をお子様自身気づくことができますし、友達がいるという自信にも繋がります。
5.まとめ
小学生の場合、暴力や暴言よりも無視されるということの方が感覚的には多い印象です。それほど、身近ないじめが「無視」なのです。
そして、お子様から相談を受けたらまずは、話をしっかり聞いて、あなたが状況を把握することはもちろんのこと、お子様の考えを整理してあげてください。そして必要であれば先生に相談してみてください。また、あなたを含め、お子様自身も「友達と一緒にいること」が必ずしも良いことではないという認識を持ってください。
学校だけが友達を作る場所ではないですし、友達がいないことが恥ずかしいことでもありません。一人でできる遊びもありますし、学校外で友達を作ることもできます。
学校しかないという狭い認識を改め、そして家族としての安心、信頼できる居場所を作ってあげることがあなたが今できる最も効果的な対応方法なのです。
無視される状況が改善することを願っています。